207ページ(巻頭~巻末)
発行●東方出版(株)
価格●本体1500円+税=1620円
本屋さんでは「精神世界」「超心理学」など、スピリチュアル系のコーナーに並ぶことが多いです(取次タグは人文です)。
私はへっぽこライターなので小さな本屋さんにはあまり入らず、お取り寄せになるかもです・・ゴメンナサイ (^^ゞ
内容のご紹介
(私はネットで漫画やイラストを多く発表していますが本書は文字オンリーです)
共感覚は「文字に色を感じる」などの精神現象として知られはじめ、ほかにも「音に色」や「味に形」などの様態があることが判っています。
また、共感覚はHSP(超敏感性格)に関連があるためか、「人の意識に光や色がつく」「親しい人の病患部を色や音で感知する」「排卵期の女性に光や色がまつわりついて見える」という人もいます。
共感覚は中等以上の哺乳類に備わっている生存・生殖のための力と考えられ、人間も幼い頃は殆どの人が持っています。
また、社会に騒音や照明、電磁波などのノイズが少なく、情報ツールも乏しかった昔の人々(日本の場合は明治時代中期ごろまで)は、共感覚を持つ人が現代よりずっと多かったと考えられます(現代でも山岳少数民族などに共感覚者が多い)。
そうした時代の人々が「人の意識に光」の伝で感知したものが幽霊や妖怪だったのではないでしょうか。
また、共感覚は生存本能であるため、無意識に凶事を察知し、吉運の集まる方向に誘導するという役割も果たしている可能性があります。
本書はそのような視座でいわゆる超能力、心霊現象を捉える内容です。
ここでいう「超能力」とは、夢あわせやおまじない、シンクロニシティ(東洋的には『縁』)などのような、庶民が昔から経験則的に知っていたアニミズム的なものをさします。
文字に色がつくなど狭義の共感覚は、人間の場合は通常、成長とともに消失しますが、「なんとなく、そう感じる」という広義の共感覚は成人後も誰もが持ち続けます。
また、かつては数千人に一人と言われていた狭義の共感覚者も、調査が進むにつれ数百人に一人となり、今では「ひらがなの幾つかに色がつく」くらいの人ならば10人に一人は軽くいるといわれるようになりました。
本書は、現在流行している「引き寄せ力」のようなスピリチュアルに肯定的な内容ですが、「未来を占うことは不可能」などの線を超えていないため、がっつりスピ系を期待されるとちょっと外れると思います。
ただ、生死の別なく、人の意識群がつながりあって未来を創り出しているという角度から、占いやおまじないには意味があると考えています。
そういう領域内で、「人は成人後も大なり小なり共感覚を持っているため、無意識下で霊的現象や超能力を体験している」という仮説を立てています。
ご同輩向け情報⇒ 遠森がナゼああも「鉄道線の高床大型車が路面を走る」ことに惹かれるのかという徹明町以来のヒミツ❤を、誰にも頼まれてないけど勝手に告白する文章が第六章のトップにあります。
ほんでから、母親から受乳されてるときのふすまのガラと障子の格子を暖かい記憶として覚えているとか。暖かいのは母の乳房ではなく薄暗い部屋のふすまのガラ。おかあちゃんごめん。
そういうわけで、本書の内心のタイトルは仮面もとい路面の告白! 徹明町のとき路面の告白出す出すと言っていて何をどう出したらいいのか判んなかったけどついにやりましたぞ、おおー!
産湯のタライの三島さんごめん(^_^;)
目 次
はじめに
第一章 解明されてきた共感覚
★最も多い「文字に色を感じる」
★「感じる」「見える」「色の霧がかかる」
★「色つき玩具で覚えたから」ではない
★音楽がカラフルに見える「色聴」
★紫色の四角柱が踊る
★共感覚とメタファーの境目
★音視?--四つ葉のクローバーの声
★かつおダシがきいた痛み
★不思議の国のアリス症候群
★自分が周囲と違うと気づく日
★超敏感性格ゆえの生きにくさ
★脳内司書のズボラによる記憶再生ミス
第二章 誰もが持つ共感覚
★世界中の人がaに赤か緑を感じる
★共感覚を自覚しない人々に行なわれた実験
★青い音と黄色い音
★誰もが持つ「図形の音」
★動物の名前にみられる音の有意偏差
第三章 何を感じとっているのか--謎を残す共感覚
★他人と知覚を共有する「ミラータッチ」
★井戸に落ちる子供
★会った人に色を感じる
★オーラの正体は「プロジェクター型対人色覚」?
★天使の輪、天女の羽衣
★「羽衣には重さがない」という設定が示すもの
★女性の排卵を感知する
★野生の生殖能力の名残り
★対極にある「死期に近い人の影が薄い」
★「線香」の本当の由来は?
★動物にみられる「仲間の死期予知」
★色と音で危機を察知する
★失明時に人の感情に色がつく
★相手が自分を何色で見ているかが判る
第四章 共感覚と「夢のクロス」
★霊的現象は共感覚の先にある
★カギはアジアが持っている
★共感覚者と「夢」
★黍が炊ける間に見た壮大な人生ドラマ
★AV機器のような操作ができる「明晰夢」
★夢の中の共感覚少女
★探偵や淡島神に頼んで再会を試みるが・・・
★「魂が遊びに行っている」
★今昔物語に記録された夢クロス・一
★今昔物語に記録された夢クロス・二
★世界各地で続けられる夢テレパシー実験
★「ガンツフェルト状態」における意識の送受信
★夢うつつ状態で意識は何をしているのか
★心停止患者の魂が病院中を飛び回った
★体外離脱と透視は異なる
第五章 意識は体外で何をしているのか
★「地球意識プロジェクト」の世界規模実験
★意識が体外の「光子」を動かす
★同期する脳活動
★思春期までの少女のシンクロ
★親しい人の病患部が「見える」「聞こえる」
★「小僧按摩」が見ていたサーチビジョン
★緊急時に出現したピンクの線画
★目を使わず書物を読んだラマ僧
★さいはてのイタコが「降ろす」もの
★「医者半分、ユタ半分」
★救命集中治療部の医師が語るもの
★「この世とあの世は同じ場所にある」
★脳の磁気感知と地震予知
★幽霊の姿を決めるのは「都合」
★仏教圏の人は三途の川を見る
第六章 生まれ変わりと進化
★見たはずがない「路上の京王線」の記憶
★受乳とフスマのがらの記憶
★役人も検証した「勝五郎の前世記憶」
★藤蔵の死後のふるまいと私たちの「夢」の酷似
★精子のころから覚えている子供
★胎内記憶と共感覚を結ぶ「HSP」
★今あらためて「キリンの首」を考えてみる
★「意識」と「宇宙」
第七章 遊離意識群と「引き寄せ力」
★意識群が絡み合って未来を作る
★笑う門には福来たる
★「虫の知らせ」や「天の声」
★ハグやアニマルセラピーの効果
★漁師は凶事を予感する
★「神に祈る」ことの意味
★歌われない歌が示す「神的存在との交渉」
★人間にはスピリチュアルが必要
まとめ 私たちが自然界とつながっているうちに